バイクも自動車同様に運転する時には任意保険にも加入しておくことが大切です。バイクを運転する頻度が低いという人には、1日だけ加入できる「1日バイク保険」があれば便利ですが、残念ながらバイクにはありません。自動車には1日自動車保険(ワンデイ保険)といった1日だけ加入できる保険がありますが、なぜ、バイクにはないのでしょうか?また、バイクを運転する頻度が低い人向けに、任意保険加入対策について紹介します。
目次
バイクに1日バイク保険はない
バイクを運転するとき、公道を走る訳ですから自動車同様に自賠責保険の加入は必須です。そして、バイクも車と同じスピードで公道を走る乗り物ですから、交通事故に備えて任意保険に加入しておく必要があります。
とはいえ、バイクに乗る頻度はそんなに多くないという人もいます。あまり乗らないという場合、1年更新のバイク保険ではなく運転する時だけ任意保険に加入ができる「1日バイク保険」を希望する人も多いです。しかし、バイク保険には自動車のように1日だけ加入できる「1日バイク保険」はありません。その理由は、バイク事故は死亡・重傷に至る可能性が高い点などが大きな原因として挙げられるでしょう。
何故、1日バイク保険はない?
バイクの方が死傷しやすい
保有台数総計 | 乗車中の死傷者数 | 割合 | |
---|---|---|---|
自動車 | 78,507,746 | 217,092 | 0.28% |
バイク (原付含めず) |
4,035,432 | 23,637 | 0.59% |
保有台数統計:一般財団法人 自動車検査登録情報協会 自動車保有台数(令和6年3月末現在)
乗車中の死傷者数:総務省 統計局 道路の交通に関する統計(2023年)
125㏄以下の原付バイクを除いた件数になりますが、保有台数に対する乗車中の交通事故による死傷者の割合は自動車よりバイクの方が大きいことが分かります。
バイクの方が致死率が高い
死傷者数 | 死者数 (致死率) |
重傷者数 (重傷率) |
|
---|---|---|---|
自動車 乗車中 |
217,092 | 837 (0.39%) |
7,074 (3.26%) |
自動二輪車 乗車中 |
23,637 | 391 (1.65%) |
4,056 (17.16%) |
原付 乗車中 |
16,012 | 117 (0.73%) |
2,574 (16.08%) |
致死率:死者数÷死傷者数×100、重傷率:重症者数÷死傷者数×100
出典:総務省 統計局 道路の交通に関する統計(2023年)
自動車とバイクの致死率・重傷率を比較すると、バイクの致死率は自動二輪で約4倍、原付で約2倍、バイクの重傷率は約5倍となっています。バイクでの交通事故は自動車と比べて致命傷に至るリスクが非常に高いです。そのため、保険会社としても保険金の支払が多くなるため、1日単位で加入できるバイク保険は作りづらく、作ったとしても手軽に加入できる保険料とするのは難しいでしょう。
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1日バイク保険以外の方法は?
125㏄以下のバイクを運転している人や125㏄以上のバイクで行楽シーズンだけ運転するといような人などは下記の方法を確認してみましょう。
1.ファミリーバイク特約でカバーする
自分もしくは家族が自動車を持っていて、125㏄以下のバイクに乗る予定ならば自動車保険のファミリーバイク特約が有効です。125cc以下のバイクを運転中の事故で補償を受けられます。
補償の対象は?
① 自動車保険の主な運転者となる人物
② ①の配偶者
③ ①または②の同居の親族
④ ①または②の別居の子供(未婚)
を対象に、バイクが何台でも補償可能対象となります。家族一人が自動車保険にファミリーバイク特約を付帯していれば、広範囲で補償を受けられることが分かりますね。運転中の事故による怪我や、事故の相手方に対する法律上の損害賠償責任に対して補償を受けることができます。
こんなメリットも!
ファミリーバイク特約による保険金の請求では自動車保険の翌年度の等級が下がらないので翌年の保険料をあげてしまうなどの心配もありません。また、ファミリーバイク特約は補償対象となる方が所有、使用、管理している125cc以下のバイクが対象です。なので借りたバイクであっても対象となります。ただし、バイクの所有者の了承なく乗っていた場合はお支払いの対象にならないので注意が必要です。
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2.ドライバー保険を使う
1日だけではなく1か月~1年など短期間で決められた期限だけバイクを借りたいときは、ドライバー本人が保険の対象となるドライバー保険もおすすめです。ドライバー保険は基本的に、一年契約が多くなっています。
この保険は基本的に運転免許を所有しているものの車やバイクを所有していない人が加入する保険で、友人から借りたバイクやレンタルのバイクで適用することができます。ただし本人や配偶者、同居の親族の所有するバイクや自動車では利用できません。
ドライバー保険のメリット
この保険のよい点は、友人から借りたバイクやレンタルのバイクに対して保険が適用され、なおかつ借り先の保険に傷をつけずにすむことです。バイクを保有していないかつバイクを頻繁に借りる必要がある場合、加入をおすすめします。
3.レンタルバイクやサブスクを使う
最もスタンダードな方法が、レンタルバイクを借りることです。確認は必要ですが、レンタルバイクには基本料金に任意保険が付帯していることが多くなっています。ですから1日しかバイクに乗らないのであれば自分のバイクではなくレンタルを利用することをおすすめします。
また定額制で月々契約するサブスクリプションも世の中で主流となってきましたが、バイク業界においてもサブスク事業が少しずつ増えてきています。この場合は、使用する期間が終われば契約を解除すればいいだけなので気持ち的に楽です。
4.バイク保険に短期だけ加入する
1年契約のバイク保険に入り、短期間で途中解約をする方法も考えられます。バイク保険に加入したのち期間満了前に解約した場合、年払で保険料を払っていても短期率で計算した解約返戻金が戻ってきます。
短期解約はデメリットもある
年払の場合、短期率で計算した解約返戻金がありますが、短期率での解約返戻金は残りの期間で月割りしたよりも少なくなるので注意が必要です。月払であれば契約した月の分だけで残りの期間の保険料を支払わずに済みますが、日割で保険料が返ってくることはなく1カ月分の支払は必要です。また、月払の場合、年払よりも数%保険料が高くなっています。
そして、前述の割高な保険料を支払うことになることに加えて、途中解約するとバイク保険の等級が上がらないので何回契約しても保険料が安くなりません。ですので一回の利用のためであればレンタルバイクを、定期的にバイクに乗るのであればしっかりと任意保険に加入することをおすすめします。
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まとめ
バイク保険に1日保険はありません。一方、バイクに乗るのであれば任意保険に入るのは社会的責任であり、バイク乗りのマナーでもあります。たった1日であってもバイクに乗るのであれば自賠責保険に加えて任意保険にも加入しましょう。
自分か家族が自動車を利用していて、乗るバイクが原付なのであれば、自動車保険にファミリーバイク特約をつけるのがいいかもしれません。そうでなければ紹介したその他の方法を検討してみましょう。
少しでも保険料を抑えるために安いバイク保険を探したい、もしくは今より自分にあったバイク保険があれば探したいのであればバイク保険の一括見積もりを試してみてください。