バイクのマフラーやハンドル、ライトなどを自分好みにカスタムして改造を楽しんでいる人はたくさんいます。バイクのカスタムをバイクショップやプロにお願いするという人もいれば、自分で手を加えるといった人もいるでしょう。バイクのカスタムで構造変更が加わる場合は、車検に関わるため申請が必要です。バイクのカスタムと構造変更、申請について解説します。
目次
バイクの構造変更について
排気量が250㏄超のバイクは車検が必要です。250㏄超バイクは、新車購入後3年、その後は2年毎で車検を受ける必要があります。そのため、車検に通っていないバイクは車両の安全が約束されていないバイクということになり、公道を走ることができません。
構造変更の申請をしていないバイクは違法改造の扱いとなり取り締まりの対象です!
構造変更が必要となるケース
車検が必要な250㏄超のバイクは、バイクのカスタム(改造)などによる変更が生じた場合には構造変更の申請が必要です。ただし、軽微な変更であれば変更の申請が必要ない場合もあります。構造変更の申請が必要なのは、カスタムにより車検証に記載されている車体の構造と異なっている場合です。
カスタムによる変更の申請が必要な主な部分
- 車体の長さ・幅・高さ
車体の長さ3㎝以上、幅2㎝以上、高さ4㎝以上の変更 - 車体の重量
車体の重量50㎏以上の変更 - 乗車定員
- 最大積載量
- 車体の形状
- 原動機の変更
- 燃料の種類
構造変更が必要な場合(例)
- ハンドルの交換で車体の長さ、幅、高さが変わった
- 乗車定員を1人から二人乗りに変更した
- エンジンを載せ替えたため排気量が変わった
- マフラーの交換により車体の形状が変わった
構造変更が不要な軽微な変更について
バイクを自分好みにカスタムしたいけれども、構造変更の申請が必要な改造までは考えていないという人は、上記で紹介した構造変更が必要な部分に該当しておらず、基準値以内で収まっている場合は構造変更に該当しません。
構造変更が不要な場合(例)
- ハンドルを交換したが、規定のサイズ内で収まっている
- ハンドルにスマホホルダーを取り付けた
- 型式が同じエンジンに載せ替えた
申請方法はどうするの?期限や注意点は?
構造変更の申請と期限について紹介します。
構造変更の申請は15日以内
申請が必要な構造変更を行った場合、15日以内に届け出が必要です。構造変更の手続きを行わずにバイクを運転する事は違法です。必ず、期限内に行うようにしましょう。
また、構造変更を行った時点で現在の車検の残期間は無効になります。構造変更申請は、申請日を起算として2年間が有効期間です。構造変更を行った時期によっては、車検有効期限が短縮されてしまうことにより車検費用の無駄が生じてしまいます。車検の損失がないように計画的に行うとよいでしょう。
構造変更の申請を行うおすすめタイミング
- 現在の車検有効期間のギリギリにカスタムを行う
- 構造変更の申請を行う
- 車検を行う
※2年後、車検と構造変更申請を同時に行えるようにしておくと、申請漏れを防ぐことができます。
手続きの流れ
250cc超バイクの構造変更は運輸支局(陸運局)あるいは自動車検査登録事務所で行います。
250㏄以下バイクは車検がありませんが、変更を行った場合は市町村役場に「改造申請」の申請を行う必要があります。
1.書類の準備
構造変更の申請に必要な書類を準備します。申請書は自動車検査登録からダウンロードすることが可能になっています。
- 申請書(2号)
- 構造変更申請書
- 車検証
- 自動車検査証
- 自動車検査票
- 点検整備記録簿
- 自賠責保険証明書
- 重量納付書
- 納税証明書
- 手数料納付書
■手数料(費用)について
バイクの構造変更には2,100円です。
納付先・金額 | ||
---|---|---|
国(検査登録印紙) | 機構((自動車審査証紙)) | 合計 |
500円 | 1,600円 | 2,100円 |
自動車検査登録_手数料に関する詳しい内容より
2.運輸支局で書類の審査を受ける
申請に必要な書類を揃えたら審査を受けましょう。
構造変更は申請後、1週間~10日ほどの日数をかけて厳しく審査が行われます。審査が終わると「改造自動車等審査結果通知書」が届きます。
3.バイク本体の検査予約をする
書類の審査を終えると、バイク本体の検査予約を取ります。予約は所管の運輸支局に直接電話するか、Webから検査の予約を申し込むことができます。
自動車検査インターネット予約システム
4.バイク本体の検査を受ける
通常の車検と同様の流れで検査が行われます。改造を加えた場所は細かくチェックされることになります。この検査を通れば、新しい自動車検査証(車検証)が発行されます。自動車検査証(車検証)と同時に自動車検査証記録時事項、検査標章(車検シール)を受け取ることできます。
構造変更を行ったバイクとバイク保険について
軽微な構造変更で、車検に通っているバイクは問題なくバイク保険に加入する事ができます。また、カスタム(改造)を行ったバイクでも構造変更の申請を行い、車検に通っているバイクであればバイク保険に加入する事ができます。
構造変更を行ったバイクは、車検証に「改(カイ)」と記載されます。車検をクリアしているバイクであっても構造変更によって車検証に「改(カイ)」の記載のあるバイクは申込時に加入を断られる場合があります。特にダイレクト型のバイク保険は事故リスクが少ないユーザーに保険料を安く提供しているため断られるケースがあるようです。
しかしながら、ダイレクト型のバイク保険会社であっても受け付けが可能なところもあります。事故のリスクを考えるとバイク保険は任意で加入する保険ですが、バイク保険に加入して公道を走る必要があります。少しでも保険料を安くしたいという人は安いバイク保険料で加入できる保険会社がないか探してみましょう。
カスタムしたバイクはバイク保険に入れる?加入後に改造した場合は?
構造変更を行ったら変更の連絡が必要!
現在、契約中のバイク保険があっても、バイクの構造変更を行ったら、保険会社に連絡をする必要があります。契約者は、カスタム(改造)したバイクの構造変更を保険会社に通知する義務(通知義務)があります。
保険会社に構造変更を連絡すると、保険料が変わる場合があります。保険会社は契約者の事故リスクに応じて保険料を決めています。保険会社への連絡を怠ると、通知義務違反となり、事故の際に保険が支払われないといった可能性があるので注意しましょう。
自賠責保険料について
構造変更によって排気量が変われば自賠責保険料も変わる場合があります。