出力を抑えた125ccが原付免許でも運転できるように!いつからどう変わる?

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警察庁の有識者検討会は12月21日、最高出力を50ccの原付相当(4.0kW)に制御した125cc以下の二輪車について、現行の原付と同区分とすることを適当とする報告書をまとめました。変更の背景は何か、いつからどのように変わるのか解説します。

変更は排ガス規制に対応するため

今回の原付の区分の変更の検討がされた背景としては2025年11月以降に生産される原付バイクに適用される排ガス規制への対応があります。

有害物質が含まれる排ガスを浄化するために触媒が使われますが、現行の原付では浄化が始まる300℃に達するまでに時間を要し、新基準の国内第4次排ガス規制に対応することができません。規制をクリアできる原付の開発が困難であること、開発したとしても開発費用に見合う事業性の見通しが立たないことから、現行区分での原付の生産・販売の継続が困難となっていました。

一方で総排気量を125ccまで上げると、マフラー内の温度が上がりやすく、触媒の浄化が始まる300℃に到達するまでの時間が短くなるため、新しい排ガス規制に適合する車両の開発も可能であり、区分の見直しをメーカーの業界団体が国に要望していました。

いつから、どのように変わる?

いつから変わる?

執筆している2023年12月22日時点では、具体的に何月何日からと決まっているわけではありません。ただし、排ガス規制に対応するための変更であるため、2025年11月までに道路交通法施行規則の改正・施行がされる見通しです。

どのように変わる?

最高出力を4.0kWに制御した総排気量50cc超125cc以下の二輪車についても一般原動機付自転車に区分される(=原付免許で運転できる)ようになる見通しです。

出力制御がなされていない125ccのバイクには変わらず小型限定普通二輪免許が必要です。現在販売されている125ccに原付免許で乗れるようになるわけではないので注意しましょう。新基準の原付と小型二輪の区別がつくように、外見上で識別できる手段をつけることも今回の報告書において求められています。

二段階右折や時速30km制限はそのまま

出力制限付きの50cc超125cc以下の二輪車を原付として区分するようになるだけなので、二段階右折や法定速度が時速30kmといった原付の制限はそのまま変わりません。出力を抑えた新基準の原付もこれらに従う必要があります。逆に、現行の125ccや改正後でも出力を抑えていない125ccのバイクについては原付ではないので、今と同じように原付に適用される制限はありません。

原付の主な交通ルール

法定速度は時速30km

原付の法定速度は時速30kmです。道路の制限速度が時速40kmや50kmだったとしても、原付は時速30km以下で走行しなければなりません。

速度超過をした場合、超過した速度に応じて違反点数1点~12点に反則金(一般道で29km超過まで)、6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金(一般道で30km超過以上)が科せられます。

第一通行帯通行義務

片側二車線以上の道路を走行する際、追い越しや右折などのやむを得ない状況を除いて第一通行帯(一番左の車線)の左側を走行する必要があります。

違反した場合、通行帯違反として違反点数1点、反則金5000円が科せられます。

二段階右折

片側3車線以上の交差点、もしくは二段階右折の標識がある交差点を右折する際には二段階右折をする必要があります。一度左車線を直進して交差点を渡り、交差点を渡った先で進行方向を右に変更し、進行方向の信号が青に変わったら直進するのです。交差点を渡る前から見ると、直進方向と右折方向の2つの信号に従って右折することになります。

二段階右折が必要な交差点で二段階右折を行わなかった場合、交差点右左折方法違反と信号無視の2つの違反を犯すことになります。交差点右左折方法違反は違反点数1点、反則金3000円で、信号無視は違反点数2点、反則金6000円です。複数の違反を同時に犯した場合、より重い方の罰則が適用されるので、この場合は信号無視の違反点数2点、反則金6000円が科せられます。

二人乗り禁止

原付は乗車定員1名と定められているため二人乗りはできません。

違反した場合、定員外乗車違反として違反点数1点、反則金5000円が科せられます。なお、処罰の対象となるのは運転者のみで同乗者に罰はありません。

新基準の原付の乗り心地は?

検討会で議論を進めるにあたって、新基準の原付での走行評価が行われました。現行の原付と比べて、乗り始めると安定性があるというプラスの意見が寄せられましたが、一方で、車体が重くなるので押し歩きや引き起こしではマイナスの意見も寄せられました。

走行評価の内容や結果については報告書の後ろに参考資料としてまとまっています。気になる方は読んでみるとよいでしょう。なお、テスト用に用意されたバイクが今後発売決定しているというわけではないのでご注意ください。

まとめ

排ガス規制に対応した50ccの原付の開発・販売が困難であるため、出力を現行の原付相当に抑えた125cc以下の二輪車についても原付として扱う方針が決まりました。排ガス規制が適用される2025年11月までに法改正・施行がされる見通しです。

新基準での出力を抑えた125ccは原付扱いなので法定速度30km/時や二段階右折などの交通規則を守る必要があります。また、出力制限がされていない50cc超125cc以下の二輪車については現行と変わらず、原付免許で乗れるようにもなりません。

実際に法改正されるまでに変更される内容があるかもしれませんが、しっかりと変更内容を把握・理解して交通ルールを破らないように気をつけましょう。

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