ここ数年、ブームが止まらない電動キックボード。車ほどコストはかからず、自転車ほど労力もなく、気軽に街中をスイスイ風を感じながら走行できる電動キックボードはメリットがたくさんです。
そんな電動キックボードですが、2022年4月19日に道路交通法の改正が国会で成立しました。2年以内を目途に施行されます。この記事では、改正法施行後にどのようにルールが変わるのか、また万が一の事故に備えて気を付けることなどを詳しく説明していきます。
電動キックボードってなに?
電動キックボードとは
電動キックボードは、地面を蹴って走る従来のキックボードにバッテリーやモーター、ブレーキなどが取り付けられたモデルです。 16歳以上の方が乗車可能で、電動なので環境負荷が少なくコンパクトな形状で小回りが利きます。
アメリカを中心に海外で大ブームとなり、2018年からはシェアリングサービスの展開も加速しています。ここ数年は日本でもどんどん普及しており、各地で電動キックボードに乗っている人を見かけるようになりました。
2021年12月、便利なチェア付きモデルも発売されています。
相場と維持費
現在発売されている電動キックボードは、購入すると大体30,000円~140,000円の価格帯となります。車体デザインは様々かつ、防水機能や液晶画面がついていたり、折り畳み式だったりとその特性によって価格が変わります。また、カスタムパーツやスタンドなども別途販売されています。シェアリングサービスの場合は、1時間1,000円いかないくらいが相場となっています。
維持費は、主に充電するための電気代と自賠責保険料(5年契約で13,310円※)、毎年2,000円の軽自動車税がかかってきます。
※令和5年4月1日以降保険始期の契約で、沖縄県を除く離島以外の地域に適用する保険料
今回の法改正の対象となる電動キックボード(特定小型原動機付自転車)の保安基準が新たに定められる予定です。保安基準の内容によっては、相場が大きく変わる可能性もあります。
電動キックボードは大きく分けて2種類あり、性能上の最高速度20km以下の車種とそれ以外に分かれます。速いモデルだと最速50km近く出るモデルもありますが、公道を走るには法定速度上30km以下を守ることが原則です。
走行可能距離に関しては、満充電すれば20km~60kmほど連続走行が可能です。
道の状態や乗っている方の体重によって、速さや走行可能距離は多少変動します。
メリットとデメリット
メリット
●見た目がスマートでお洒落
最近は更にお洒落なカラー・デザインが増えています。
●コンパクトなので室内にも収納可
自転車や車と異なり、室内管理がしやすい大きさです。
●軽いので手持ち移動も楽
最も軽いモデルで重さ4kg程度となります。
●脚への負担が少ない
自転車のように漕ぐ必要がないため楽に移動できます。
●ガソリン不要
電動なのでガソリンの高騰を気にする必要がありません。
デメリット
●雨の日に使用することは難しい
運転中傘を差すことは危険なので控えましょう。
●大きな荷物を載せることが難しい
安全に乗車できるレベルの荷物となります。
法改正後はこう変わる
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
種類 | 原動機付自転車 | 最高速度20km以下で一定の条件を満たす車種は「特定小型原動機付自転車」となる |
免許 | 原動機付自転車の免許必須 | 特定小型原動機付自転車は、免許不要 ※16歳未満は乗車不可 |
税金 | 軽自動車税 | 軽自動車税 |
保険 | 自賠責保険加入は必須 任意保険は任意 |
自賠責保険加入は必須 任意保険は任意 |
走行可能道路 | 車道のみ | 車道・普通自転車専用通行帯(自転車専用レーン含む)・自転車道・自転車通行可能な歩道※ |
ナンバープレート | 必須 | 必須 |
ヘルメット | 必須 | 特定小型原動機付自転車は努力義務 |
ワンポイント
事故対策は?
ながら運転はしない
スマホを操作したり、音楽を聴きながらの運転は大変危険なのでやめましょう。電動キックボード用のスマホスタンドがあるため、それを活用すると安心です。
ヘルメットはできるだけ活用
法改正後、特定小型原動機付自転車はヘルメットの着用が努力義務となりましたが、万が一の事故に備えてヘルメットは着用しておくことをおすすめします。
飲酒運転はNG
最高速度20km以下の場合であっても、自転車と同様に飲酒運転は法律上禁止されています。もちろん少量のお酒でもNGです。
任意保険にも加入
最高速度20km以下の車種は法改正後の保険関係規定はまた公表されていませんが、今のところ引き続き自賠責保険は必須であり、加えて任意保険にも加入することをおすすめします。
任意保険って?
任意保険は、自賠責保険では補償してくれない部分の補償をする保険です。契約した保険内容で、自分が定めた上限金額まで補償を受けることができます。
特定小型原動機付自転車の条件を満たさない電動キックボードは原付扱いになるため、自動車保険のファミリーバイク特約もしくはバイク保険が有効です。もし自動車を持っているのであれば、自動車保険にファミリーバイク特約のオプションを追加、自動車を持っていない場合は任意保険に加入することをおすすめします。
まとめ
さて今回は、電動キックボードの概要や、法改正後にどのようにルールが変わるのか、また事故の備えとして何をすべきかなどを説明しました。
最高速度20km以下で一定の基準を満たす車種の場合は免許が不要となったり、ヘルメットも努力義務となり、比較的緩和されたイメージが強いのではないでしょうか。ただ、より気軽に乗れるようにはなった反面、事故被害に遭うリスクもあがってしまいます。
安全に電動キックボードを楽しめるよう、日頃から事故には十分注意しましょう。また万が一の事故時に備えて、自賠責保険に合わせて任意保険にも加入しておくことをオススメします。
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