ガソリン価格の高騰が続いており、バイクに乗るのであればできるだけ燃費をよくしたいところです。燃費向上に大切なメンテナンスや走行方法、その他バイクの維持費を抑える方法について紹介します。
目次
燃費向上につながるメンテナンス
タイヤの空気圧を適切に保つ
タイヤの空気はパンク等していなくても自然と少しずつ抜けていきます。空気圧が不足してくるとタイヤの接地面が増えて抵抗が大きくなり、燃費の悪化につながります。また、ハンドリングが悪くなったりタイヤがすり減りやすくなったりするという悪影響もあります。
タイヤの空気圧はガソリンスタンドやバイクショップなどで簡単にチェックできるため、給油時など月に1度はタイヤの空気圧を確認して補充するようにしましょう。
エアクリーナー(フィルター)やプラグの点検・交換
エアクリーナー(フィルター)が汚れ、埃やごみが詰まっていると効率的に空気を送り込むことができず、エンジン本来のパワーを発揮できません。つまり、燃費の悪化につながります。バイクの種類や走行する環境にもよりますが、3,000~5,000kmごとに清掃、10,000~15,000kmごとに交換を目安にしましょう。
プラグについてもすすがついて真っ黒になっていたり、電極が丸くなっていたりすると、火花の飛びが悪くなってしまいます。そうするとエンジンの始動性が悪化し、燃費の悪化につながります。NGKスパークプラグでは3,000~5,000kmを交換の目安としています。
エンジンオイルの点検・交換
エンジンオイルを使用していると次第に汚れてきたり劣化してきたりします。そうするとエンジンオイルが本来果たす潤滑作用や洗浄作用などが十分に機能せず、エンジン性能が低下し、燃費の悪化につながります。
エンジンオイルの交換の目安はバイクの取扱説明書に記載されているものを参考にしてください。初回は走行距離1,000km、以降は6,000kmごとの交換としていることが多いですが、それより走行距離が短い段階でもエンジンオイルが汚れているようであれば交換するようにしましょう。
チェーンの汚れを落とす
チェーンが汚れていたり錆びたりしていると後輪に動力を伝えるうえでの抵抗となり、より多くのパワーが必要となるため、燃費の悪化につながります。
チェーンの清掃頻度は高いほどよいですが、一般に走行距離500km~1,000kmごとが目安とされています。また、雨の中を走った後や逆に長期間乗っていなかった場合の走行前についても清掃・給油が推奨されます。
燃費向上につながる走り方
「急」のつく走り方をしない
急発進や急加速など、「急」がつく動作は燃料を多く消費し、燃費が悪化してしまいます。アクセルは一気に開けずに、走行状況に合わせて穏やかに操作することを心がけましょう。
「急」がつく動作は燃費だけでなく、事故の危険性も上がりますので安全のためにも行わないようにしましょう。
無駄なアイドリングをしない
不必要なアイドリングは無駄に燃料を消費するだけです。暖機運転についても昔のように必要というわけではなく、また長時間のアイドリングはガソリンの無駄遣いのほかにエンジンへの負担となります。
できるだけ一定速度で走る
街中を走る場合など難しい場合もありますが、燃費の観点からすると加速や減速はできるだけ減らして一定速度で運転すると燃費が良くなります。街乗りの場合でも適切な車間距離を取って余裕のある走行をすることで、できるだけ一定速度で走ることができるように心がけましょう。
余計な荷物は載せない
バイクに載せる荷物が重たくなるほど燃料を多く消費します。よほど重たくなければ影響はわずかですが、バイクの操作性の悪化や盗難のリスクもあるので、載せる必要がない荷物はできるだけ載せないようにしましょう。
燃費はどのように確認する?
燃費を確認する方法が分からなければ今の燃費がよいのか悪いのか、燃費が改善したのか悪化したのかもわからないでしょう。燃費の確認方法について紹介します。
メーターの表示
比較的年式の新しいバイクであれば、メーターに燃費を表示できるものがあります。そうしたバイクであればいつでも手軽にメーターで燃費を確認できます。初期画面では表示されておらず、画面表示を切り替えないといけない場合もありますのでご注意ください。
満タン法で確認
昔ながらの燃費の確認方法として満タン法があります。満タン法は以下の手順で計測します。
- ガソリンを満タンまで給油する
- トリップメーターを0kmにリセットする
- ガソリンが少なくなるまで走行する
- 再びガソリンを満タンまで給油する
- トリップメーターの走行距離(km)を4.の給油量(ℓ)で割る
この手順で、1.の給油から4.の給油までの燃費を計算することができます。なお、満タンまでの給油量など厳密には測れない数値を含みます。過去の燃費や他の人の燃費と比較する際には誤差があることを理解したうえで比較するようにしましょう。
カタログの燃費との違いは?
バイクのカタログを眺めると燃費の記載があると思います。カタログに記載の燃費は決められた条件下で測定されたもので、実際に公道を走行した場合の燃費(実燃費)よりも基本的によい数値になっています。したがって、実燃費がカタログ上の数値より悪くても必要以上に燃費向上を追い求める必要はありません。
カタログには「定地燃費値」と「WMTCモード値」の2つの燃費の記載がありますが、それぞれ以下のように計測されています。
定地燃費値
平坦な直線の舗装路を時速60km(50cc以下は時速30km)で走行し、計測する燃費です。メーカーが国土交通省に新車の型式指定や認定を受ける際に届け出る値です。
実際に道路を走るときは信号や渋滞などで一定の速度で走行し続けることはできないですし、坂道等もあります。そのため、定地燃費値は実燃費と乖離しやすいです。
WMTCモード値
排出ガス測定試験結果から算出される燃費です。台上(シャーシダイナモ)で発進・加速・停止などのパターンを含んだ走行をし、排出されるガスから計算します。走行実態の調査データからモデルが作成されていて、市街地、郊外、高速道路など一般的な使用実態が反映されているため、より実燃費に近い数値になっています。
バイク保険(任意保険)の見直しで維持費を抑えよう
燃費向上の他にバイク保険を見直すことでも維持費を抑えることができます。特に10代や20代など若い場合、維持費の中で任意保険料が大きな割合を占めることになります。補償内容を確認して不要な補償や必要以上の補償が含まれていないか確認するようにしましょう。125ccの場合はファミリーバイク特約を検討するのも一つの手です。
また、保険会社との間に代理店を挟む代理店型の保険会社よりも保険会社と直接契約するダイレクト型の保険会社の方が保険料が安い傾向にあります。
ダイレクト型は自分で補償内容を把握して選択し、契約を進める必要がありますが、代理店型であっても補償内容は自分で把握しておくべきことです。Webチャットやメールなどで保険会社に問い合わせることも可能なので、ダイレクト型のバイク保険も選択肢に入れてみましょう。
任意保険を探すには、一度に複数社の見積もりが取れる一括見積もりが便利なので、ぜひご利用ください。
まとめ
バイクの燃費向上には日ごろのメンテナンスと乗り方への意識が大切です。メンテナンスは燃費だけでなくバイクの寿命を延ばすことにもつながります。また、燃費の良い乗り方は安全運転を意識すれば達成できるものもあります。仮にガソリン高騰が落ち着いたとしても意識して行うようにしましょう。
また、維持費を抑えるという意味では任意保険の見直しも重要です。安ければよいというものでもありませんが、各社の見積もりを取って補償内容と保険料を比較してみるとよいでしょう。