250ccと400ccの維持費は?ほとんど変わらないって本当?

投稿日:2024年7月23日 更新日:

普通二輪免許を取ると400ccまでのバイクに乗れるようになります。400cc以下のバイクを買うときに迷う点として、250ccのバイクと400ccのバイクのどちらを買うのがよいのか、ということがあります。

400ccのバイクの方がパワーはありますが、街乗りする分には250ccでも十分です。そして、維持費も重要な点だと思いますが、250ccのバイクは車検が不要なのでその分の費用は不要です(定期的な点検は必要です)。250ccと400ccで車検の有無がどれだけ維持費に影響するのでしょうか?維持費はほとんど変わらないという声もありますが、それは本当なのでしょうか?

バイクの維持費として何がかかる?

バイクの維持費として、主に以下の項目が必要となります。

  • 軽自動車税(種別割)
  • 自動車重量税
  • 自賠責保険料
  • 任意保険料
  • 車検費用(400cc)
  • ガソリン代
  • 駐輪場・駐車場代
  • メンテナンス費用

それぞれの項目でいくらかかるのか紹介していきます。

軽自動車税(種別割)

軽自動車税(種別割)は毎年4月1日時点でバイクを所有する人にかかる税金です。市区町村によって異なる場合がありますが、おおむね5月上旬に納税通知書が所有者のもとに送られ、納期限は5月末日です。

税額は排気量によって異なり、250ccの場合は3,600円/年、400ccの場合は6,000円/年です。2,400円/年の差が発生します。

区分 税率(年額)
原動機付自転車 総排気量50cc以下 2,000円
総排気量50cc超90cc以下 2,000円
総排気量90cc超125cc以下 2,400円
軽二輪 総排気量125cc超250cc以下 3,600円
小型二輪 総排気量250cc超 6,000円

自動車重量税

自動車「重量税」という名称ですが、バイクに関しては車体の重さではなく排気量によって税額が決まります。250ccのバイクは新規登録時にのみ4,900円の自動車重量税がかかります。400ccのバイクについては新規登録時や車検のときに車検有効期間分の重量税をまとめて納付します。新規登録後12年までは1,900円/年、登録後13年~17年は2,300円/年、登録後18年以上は2,500円/年です。

2回目の車検直前までの5年間の平均で考えると、250ccは980円/年、400ccは1,900円/年となります。

総排気量 税率
125cc以下 なし
125cc超250cc以下 4,900円(新規登録時のみ)
250cc超 1,900円/年(登録後12年まで)
2,300円/年(登録後13年~17年)
2,500円/年(登録後18年以上)

自賠責保険料

自賠責保険は法律で加入が義務付けられている保険です。未加入・期限切れで公道を走行した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。また、違反点数6点が付加されるので、他に違反や前歴がなくても免許停止処分となります。

保険料は排気量や期間、地域によって変わります。また、どの保険会社で加入しても保険料は変わりません。沖縄県を除く離島以外の地域での250ccおよび400ccの自賠責保険料は以下の通りです。

400ccにも12ヵ月の保険料の設定がありますが、車検有効期間分(新規登録時3年、以後2年)をカバーする自賠責保険に加入していないと車検を受けられないため、通常は12ヵ月の契約は行いません。

2023年4月1日以降始期の保険料(本土用)
12ヵ月 24ヵ月 36ヵ月 48ヵ月 60ヵ月
250cc 7,100円 8,920円 10,710円 12,470円 14,200円
400cc (7,010円) 8,760円 10,490円 - -

※400ccで新規登録時や車検切れのときに加入する場合がある37ヵ月の保険料は10,630円、25ヵ月の保険料は8,910円です。
※沖縄県や離島地域の保険料は上表と異なります。

出典:損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率_2023年1月18日届出

各契約期間の自賠責保険料を比較すると400ccの方が若干安くなっています。ただし、400ccの方は車検有効期間の分の自賠責保険に入るので、250ccで60ヵ月の契約をする場合は250ccの方が安くなります。また逆に250ccで12ヵ月の契約を5年繰り返すのであれば400ccの方が大きく安くなります。

400cc 250cc
契約期間 36ヵ月+24ヵ月 12ヵ月×5 36ヵ月+24ヵ月 60ヵ月
5年合計の保険料 19,250円 35,500円 19,630円 14,200円
1年あたりの保険料 3,850円 7,100円 3,926円 2,840円

任意保険料

自賠責保険は対人賠償のみで補償額にも上限があるので、事故に備えるためには任意保険への加入もほぼ必須です。相手への賠償で自賠責のみでは不足する分のほか、契約内容にもよりますが、自分が死傷したときの補償や車両の補償、ロードサービスなどを受けられます。

任意保険の保険料は補償内容や運転者の年齢、免許証の色、バイクの使用目的など様々な要素によって異なります。そのため、一概に保険料は○○円ということはできません。20歳以下で初めての契約の場合、年間10数万円はかかることも多いですが、30代、40代などで事故なしで契約を続けて20等級になっているという場合は年間1~2万円ほどで済む場合もあります。

ただし、250ccと400ccという違いのみで他は全く同じ条件という場合では基本的にほとんど保険料は変わらず、異なる場合でも差は大きくありません。

車検費用

250cc超のバイクでは2年に1度車検を受ける必要があります(新規登録時は3年後)。つまり、250ccと400ccのバイクを比較する場合、400ccのバイクのみにかかる費用です。ただし、250ccのバイクも車検は不要ですが定期的な点検は必要であることは頭に入れておきましょう。

バイクの車検をバイク屋などに任せる場合、4~6万円ほどかかります。ただし、この中には先に説明した自動車重量税や自賠責保険料も含まれています。これらを除くと3~5万円ほどとなります。

また、自分で整備して平日に運輸局に持ち込んで車検を受けることができるのであれば、業者に払う手数料なども削れるので、整備にかかった費用と法定費用(自賠責保険料、自動車重量税、印紙代)のみに抑えることができます。

ガソリン代

ガソリン価格が高騰しているため、バイクに多く乗る人には無視できない料金です。どれだけかかるかはバイクの燃費と走行距離、給油時のガソリン価格によって変わります。燃費はどのバイクに乗るか、どのような走り方をするか次第です。250ccでも400ccでも燃費がよいバイク、悪いバイクがあります。

仮にガソリン価格が170円/Lで年間5,000km走行するとした場合、燃費が20km/Lだと年間4万2500円、燃費が25km/Lだと年間3万4000円、燃費が30km/Lだと年間2万8333円、燃費が40km/Lだと年間2万1250円となります。

駐輪場・駐車場代

自宅が一戸建てで敷地内に止めることができるという場合やアパート・マンションでも駐輪場が無料で使えるという場合を除き、バイクを止めておくのに駐車場・駐輪場代がかかります。

どれくらいかかるかは立地や屋内・屋外、設備などによりますが、バイク用の駐車場だと月額数千円ほどが多いです。ただし、都心部では1万円を超えることもあります。車と同じ料金がかかる場合はさらに高くなります。

なお、250ccと400ccで借りるスペースが大きく違うということもないので、料金に差異はありません。

メンテナンス費用

バイクにどれだけ乗るかによって必要な頻度は変わりますが、250ccでも400ccでもバイクの点検・整備は必要です。250ccで車検がないからといってオイルやフィルター、タイヤなどの交換が不要になるわけではありません。

費用は250ccと400ccであまり変わりませんが、400ccの方が若干高くなります。特に、業者に任せる場合は工賃の区分が250ccまでと250cc超で分かれていることがあり、400ccの方が高くなる傾向にあります。例えば、2024年7月現在のレッドバロンの法定12ヵ月点検の基本料金は250ccで8,470円、400ccで9,680円です(国内向けモデル、交換が必要な部品代金、技術料(カウル脱着など)は含まず。)。

250ccと400ccの維持費の差は?

バイクの維持費としてかかる8項目について説明してきましたが、結局のところどれくらいの維持費の差があるのでしょうか?

モデルやバイクの乗り方によっても変わってきますが、上で説明した8項目の差を合計すると1年あたり2万5000円ほど250ccの方が安くなります。ただし、これの大部分を車検が占めています。自分で点検・整備できて、平日にユーザー車検を通せる時間があるのであれば差は数千円程度に縮まります。

遠出はしないし1円でも安い方がよいという場合は250ccの方が維持費を安くすることができます。しかし、そうでない場合は「大した差はない」といえる金額なのではないでしょうか。

維持費節約のポイント

物価上昇で様々な物の値段が上がるこの頃、バイクの維持費を抑えられるのであれば少しでも抑えたいところです。バイクの維持費を節約するポイントについていくつか紹介します。

メンテナンスを定期的に行う

メンテナンスを定期的に行えばその分、余計に費用がかかるのではないかと思うかもしれません。しかし、メンテナンスを怠った結果としてバイクが故障してしまったら修理のために多額の費用が必要となります。

車検がない250ccであっても、日ごろからメンテナンスをきちんと行うようにし、法律で決められている12カ月点検はしっかりと行うようにしましょう。「維持費」とは少し離れてしまうかもしれませんが、メンテナンスを行っていないとバイクの寿命が縮まり、買い替えが早くに必要になってしまいます。

燃費を意識した走行をする

ガソリン価格が高止まりしていますので、維持費の節約のためには燃費を意識した走行が重要となります。急発進、急停止など「急」がつく走り方をしないようにする、不要なアイドリングは避ける、合っていないギア・回転数で走らないといったことに気を付けましょう。

また、燃費向上にはバイクのメンテナンスが重要です。メンテナンスを怠ると本来の性能で走れずに燃費が悪化してしまいます。バイクに乗る前にタイヤの空気圧を確認し、また、オイルなどの消耗品は定期的に点検・交換するようにしましょう。

自賠責保険はできるだけ長期で加入する(250cc)

自賠責保険は契約期間が長いほど1年あたりの保険料が安くなるようになっています。例えば、250ccの12ヵ月の自賠責保険料は7,100円ですが、60ヵ月の自賠責保険料は14,200円なので1年あたり2,840円です(2023年4月1日以降の契約、本土用)。車検期間と合わせて加入する400ccでは使えませんが、250ccの場合はできるだけ長期の契約期間で契約するようにしましょう。

なお、長期間で契約する場合は自賠責が切れるのがいつなのかきちんと管理しておき、自賠責が切れた状態で走行しないように注意しましょう。自賠責に加入していない状態で走行した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

任意保険を見直す

特に10代や20代など若い場合、維持費の中で任意保険料が大きな割合を占めることになります。補償内容を確認して不要な補償や必要以上の補償が含まれていないか確認するようにしましょう。

また、保険会社との間に代理店を挟む代理店型の保険会社よりも保険会社と直接契約するダイレクト型の保険会社の方が保険料が安い傾向にあります。自分で補償内容を把握して選択し、契約を進める必要がありますが、代理店型であっても補償内容は自分で把握しておくべきことです。Webチャットやメールなどで保険会社に問い合わせることも可能なので、ダイレクト型のバイク保険も選択肢に入れてみましょう。

任意保険を探すには、一度に複数社の見積もりが取れる一括見積もりが便利なので、ぜひご利用ください。

まとめ

250ccと400ccのバイクで維持費は250ccの方が多少安く済みますが、それほど大きな差はありません。400ccにのみ車検がありますが、250ccでも定期的な点検・整備は必要なので、車検部分の大きな差は車検を受けるという手間とそれを軽減する代行手数料といえるでしょう。

維持費にあまり大きな差はないので、少しでも安く済ませたいなどのことがなければ、排気量にとらわれずに自分が気に入ったバイクを購入しましょう。そうした方がメンテナンスにも力が入りますし、無理な走行も避けるようになると思います。それがまた維持費を抑えるのにも一役買うことになるでしょう。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならずバイク保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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