近所のコンビニなどちょっとした移動でバイクを使用したいとき、サンダルや半キャップなどのラフな格好で運転していいのか迷う方もいるかもしれません。ただ、「これくらいなら…」が違反や事故の原因となってしまったらとてもショックですよね。この記事ではサンダルや半キャップが違法とあたるのか、また事故に備える保険について解説していきます。
サンダルでバイクの運転は違法?
違法となる可能性がある
バイクをサンダルで運転すると捕まる可能性があります。バイクの服装に関しては、各都道府県の公安委員会が定める「公安委員会遵守事項」が基準となります。
違反した場合、違反点数はつきませんが反則金として
●原付バイクは5,000円
●原付バイク以外の二輪車は6,000円
が科せられてしまいます。
都道府県で基準が異なる
サンダルでのバイク運転の扱いに関しては、各都道府県によって基準が異なります。
以下は、東京・神奈川・愛知の事例です。
東京都道路交通規則 第8条
神奈川県道路交通規則 第11条(4)
愛知県道路交通規則 第7条(3)
このように、判断基準は各都道府県あるいは警察官個人によっても異なります。
ただ、「違法となり反則金を取られる可能性がある」 という事を念頭に入れて、できるだけサンダルは避けたほうが無難でしょう。
半キャップはどうなる?
半ヘルなどとも呼ばれる半キャップヘルメットは安価で購入することができ、手軽かつスタイリッシュにかぶれることから原付だけでなくバイクライダーにも人気となっています。
半キャップは違法?
半キャップで運転することは違法であると明言している法律はありませんが、警察官の判断によっては以下の「4. 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること」に反する可能性もゼロではありません。違法性や万が一の事故に備える安全性を考慮すると、フルフェイスヘルメットを着用することをおすすめします。
乗車用ヘルメットの基準
1. 左右、上下の視野が十分とれること
2. 風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること
3. 著しく聴力を損ねない構造であること
4. 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること
5. 衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること
6. 重量が二キログラム以下であること
7. 人体を傷つけるおそれがある構造で無いこと
頭部を守る重要性
二輪車の交通死亡事故統計(2021年中)警視庁によると、バイク事故の致命傷部位は圧倒的に頭部が多くなっています。運転中には頭部をしっかり守ることが重要です。半キャップは覆われる頭部面積が小さく転倒時の体へのダメージは大きいため、安全性は他のヘルメットよりも劣ることを十分に認識しておきましょう。
違法と判断されたら?
ノーヘルの場合や上記の規定に反した場合、
●違反点数1点
が科せられてしまいます。反則金はありませんが、上述した通り頭部を露出したままの運転は非常に危険なので絶対に避けるようにしましょう。また2人乗りの場合は同乗者もヘルメットを装着する義務があります。もし同乗者がノーヘルだった場合、運転手が乗車用ヘルメット着用義務違反に問われます。
参考:道路交通法 第七一条の四
参考:警視庁ウェブサイト 交通違反の点数一覧表
ヘルメットの安全性の判断
ヘルメットには安全性を示すものがあるので、購入する際にはこれらを意識しましょう。以下は代表的な3つです。
SGマーク
SGは S afe(安全な) G oods(製品)の略で、国内で販売するヘルメットは安全性をアピールする必要からほぼ全てにSGマークが付いています。 輸入ヘルメットの中にはSGマークが付いていないものもあります。強制ではありませんが、このSGマークがついているヘルメットの方が安心です。
JIS規格
JIS規格とは、JIS(日本工業規格)による安全規格のことで、ヘルメットだけでなく、日本の自動車や電化製品、トイレットペーパーなどに至る様々な産業製品に採用されている規格です。JIS規格の衝撃吸収性試験では同じ点に2回衝撃を加えるというかなり厳しめのテストが行われているため、安全性が高いといえるでしょう。
PSCマーク
PSCマークは国が定めた安全規格のことで、これをクリアしていないヘルメットは基本的に販売することはできません。第三者または(場合によっては自身)によって定められた検査を実施し、結果を国に届け出ることで取得できます。基準はJISとほぼ同じレベルと考えてよいでしょう。
バイクの運転で肌の露出は危険!
上述した通り、サンダルでも半キャップでも場合によっては違反とならないケースもあります。しかし、バイクの運転においては地肌を露出した分だけ万が一の事故の際に負傷・死亡リスクが上がってしまいます。
バイクは死亡・重傷リスクが高い
自動車 | 217,643 | 860 (0.40%) |
6,717 (3.09%) |
---|---|---|---|
バイク | 40,511 | 463 (1.14%) |
6,969 (17.20%) |
交通事故の死傷者数 | 死者数 | 重傷者数 |
警察庁 統計表 より
自動車とバイクの死亡率・重傷率を比較すると、バイクの死亡率は約3倍、重傷率は約5.5倍となっています。身体が車体に守られていないため、バイクでの交通事故は致命傷に至るリスクが非常に高いということが分かります。フルフェイスヘルメットやバイク用ブーツなどで身体を守る重要性がわかります。
任意保険の加入はしっかりと
万が一のときの事故に備え、任意で加入できる「任意保険」にもしっかりと加入をした方が格段に安心です。単独事故や対物事故の場合は任意保険に加入していないと基本的には全て自費で支払わなければなりません。また自賠責保険は対人補償額に上限があるため、一生を棒にふるう賠償金が発生する可能性も大いにあります。
任意保険の選び方は?
まとめ
今回は、サンダルや半キャップが違法とあたるのかを解説しました。サンダルも半キャップも違法と断定はされていませんが、バイクを運転するうえで肌を露出させることは危険であるということを十分に認識しておきましょう。
また万が一の事故に備えて、任意保険にも加入しておくことをオススメします。バイク保険一括見積サービスを利用すると効率よく自分に合った任意保険を選ぶことが可能ですので、ぜひ活用してみてください!