令和4年中の交通事故の発生状況を見るとバイク事故による死傷者は日本国内で38,945人も発生しました。単純計算で1日当たり約106人ものライダーが何らかの事故を起こしているもしくは被害に遭っているわけです。年々減少はしているもののまだまだ多くの事故が発生しているのが現状です。交通事故は自身がつらい、相手がつらいだけでなく、その家族など多くの人がつらい思いをします。交通事故を一つでも減らすためにバイクの交通事故の発生原因そして対策をまとめました。
目次
バイク事故の確率
2022年、バイクの運転手が第一当事者(事故の当事者のうち最も過失が重い人)となる交通事故は11,938件発生しました。この数字からバイク乗りが1,000人いれば3人は交通事故を起こすということがわかります。
バイク | 3,961,318 | 11,938 | 0.30% |
---|---|---|---|
保有台数総計 | 交通事故の第一当事者 | 交通事故の第一当事者の割合 |
バイクは死亡・重傷に至る可能性が高い
自動車 | 213,378 | 870 (0.41%) |
6,631 (3.11%) |
---|---|---|---|
バイク | 38,945 | 435 (1.12%) |
6,398 (16.43%) |
交通事故の死傷者数 | 死者数 | 重傷者数 |
警察庁 統計表 より
自動車とバイクの死亡率・重傷率を比較すると、バイクの死亡率は約3倍、重傷率は約5.5倍となっています。バイクでの交通事故は致命傷に至るリスクが非常に高いということが分かります。
バイクの事故はなぜおこる?
バイクの事故を対策するにはまずバイク事故がどのようにして発生しているかを知らねばなりません。バイク事故のパターンを知るとおのずと対策もわかります。まずはバイク事故のパターンと原因から見ていきましょう。
スピードの出しすぎ×カーブ
バイクでの死亡事故を見ると単独事故が多くみられます。こういった事故はカーブを曲がり切れない、またスリップしてしまうことで発生します。その原因の多くはスピードの出しすぎにあるわけです。
遠心力で転倒しやすくなる
これはバイクに限った話ではありませんがスピードが出るほど車体に遠心力がかかります。そのためスピードが出ているときほど細やかなカーブはできなくなるわけです。当然遠心力の大きさによってはバイクのタイヤと道路の間で発生する摩擦では姿勢を維持できずそのまま投げ出されることもあるでしょう。
道に水たまりや凍結があれば当然摩擦は減るわけですから、勢いに持っていかれやすくなります。ちなみにこれは教習で習う内容ですが遠心力は速度の2乗に比例して大きくなります。15km/hで徐行している場合に比べ60km/hで走っている場合は16倍もの遠心力を受けるというわけです。
このようにスピードの出しすぎはバイクの事故につながりやすいことをまずは覚えてください。
予測の甘さ×交差点
バイクの交通事故は右折時や出会いがしらにも多いです。こういった事故は交差点に進入した際にライダーの想定の外から車両や歩行者が出てくることで発生します。しかしこういった事故における想定外の車両や歩行者は想像すれば予想できるものがほとんどです。
住宅街の交差点
例えば高い塀に囲まれた住宅街にある交差点。当然バイクで通行する際は左右の道から何かが出てくることを想像しなければなりません。実際交差点に進入前に一時停止してミラーと目視で確認しておけばまず事故は起こりませんが、家の近所など見知った道では気のゆるみがちになります。多くの場合人通りが少ない、車は通らないというのは思い込みにすぎません。こういった予測が不十分だからこそ出会いがしらの事故が発生してしまうというわけです。
大きい交差点
大きい交差点の場合も右折時や出会いがしらが多いです。この場合の予測の甘さは主に車から自分が見えているという思い込みに頼った甘さから発生します。当然車から見えていないと考えておけばなるべく慎重に交差点を通過するはずですが当たり前のように減速せず追い抜きをするバイクもいます。
特に前方車両が右折する際に直進を考えているバイクは前方自動車が右折開始したタイミングでできる左端を減速せずに通過する人がいますが、こういった人は反対車線の車が右折を考えているとは考えません。当たり前ですがこの場合バイクは右折車が死角になり反対車線の右折車から見えることはなくお互いが気づいたころにはぶつかっているというわけです。
バイクは距離感がつかみづらい
バイクは基本的に自動車からは距離感がつかみづらい車両です。右折してきたバイクは反対車線で直進を考えている車からはかなり遠くに見えており、気づいたタイミングではもうよけられないようなケースもあります。交差点での事故は、バイクのライダー側がリスクをしっかりと予測していれば防げるものもあります。家の近所でもイレギュラーは起こるということを認識しないといけません。
思い込み×車の死角
これは予測の甘さにも内容が近いですが車からは見えているという思い込みほど怖いものはありません。左折車に巻き込まれる、そばの車の蛇行に巻き込まれる、車線変更に巻き込まれるなど車の死角を考慮しなかったために発生する事故は多くあります。
車の死角
車種やドライバーによって死角の形は様々であり、特にトラックなどであれば後方はほとんど見えていないと考えて問題ありません。また運転手は基本前を向いているわけですから、時には真横のバイクすら認識していない場合もあり得ると思ってください。車側が当然この位置なら見えているから安全にドライブしていいというのは幻想であり、基本的にバイクは自動車から見えていないものと考えたほうがいいです。
公道を走っている人は毎日車を乗り回している人ばかりではないはずです。当然免許取り立ての人間もいれば、月に数回しか運転しない人も、時には10年ぶりに車に乗るペーパードライバーがいることもあります。経験の浅い人はそれだけ車の操作に気を遣っているので周りは見えていません。特に後ろや横に気を遣う余裕はないでしょう。そんな車の横を当たり前のように追い抜こうとした場合、突然の車の蛇行に巻き込まれることも想像できますよね。交差点であれば巻き込まれることも想定する必要がありますし、車のすぐ近くを走ることはできるだけ避けましょう。
交通事故に遭わないための対策
前述したバイク事故の原因からバイク事故を起こさない、遭わないためにどのような対策ができるでしょうか?バイク事故に遭わないために徹底してほしい対策は4点です。
1.交通ルールを守る
当たり前のことですが、交通ルールは絶対に守りましょう。交通ルールは事故を起こさない、事故の被害を減らすためのものでもあります。すべての人が完璧にルールを守れれば交通事故は起こりません。まずは自分から交通ルールを守るように徹底しましょう。
2.スピードは出しすぎない
次にスピードを出しすぎないことです。特にカーブに入るタイミングや交差点ではなるべくスピードを落としましょう。特にカーブに入る際意識したいのがカーブに入る際は速度を落とし曲がり終えてからスピードを上げること。それだけで単独事故のリスクを大きく抑えることができます。
3.車から見えていないことを意識する
自動車からバイクは見えないことを意識してください。バイクが自動車に接触や、巻き込まれて事故を起こすのはバイクが自動車に近いときが大半です。自分は車から見えていると思い込んだ結果、車が少し蛇行するだけで接触、時にはそれが原因で転倒、大けがすることになります。自動車のドライバーが必ずしも運転が上手いとは限りません。すべての自動車の運転手がペーパードライバーだと思って距離をとり運転しましょう。
4.運転中はリスクを考える
最後にリスクを考えて走行しましょう。この辺は人通りが少ないやら、この車はウインカーが出ていないから曲がらないなんてことは考えてはいけません。人通りが少なかろうが人は通ることもありますし、ウインカーの出し忘れで曲がってくることもありえます。想像しえることはすべて起こりえるくらいの気概を持って、どんなことがあっても回避できるように余裕を持って運転しましょう。余裕を持てないような日はリスクが高いので運転しないのをおすすめします。
以上の4点を意識するだけで交通事故を起こす、被害に遭う確率は大きく減らせるはずです。しっかりと意識して快適なドライバー生活を楽しみましょう!
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交通事故に遭った際被害を小さくするための対策
当然事故に遭わないことが大事ですが事故に遭う可能性を0にはできません。事故に遭った場合も極力被害を減らすために対策が重要です。
致命傷部位を守る
二輪車の交通死亡事故統計(2021年中)によると、二輪車乗車中の交通事故は頭と胸部のケガが死亡原因のおよそ80%を占めています。特に頭のケガが全体の62%を占めていることから、最低でもヘルメットの装着、できれば胸部プロテクターを装着して運転するのがベストです。しっかりと装備をすることで死亡事故が重傷事故に、重傷事故が軽傷ですむかもしれません。
任意保険の加入をしっかりと
また任意保険の加入も重要です。バイクの交通事故のうち相手が100%悪ければ相手からの賠償だけで自分の出費はありませんが基本的に自責0はないと考えてください。交通事故に遭った場合、自責分の賠償責任と自分への治療費は自分で支払う必要があります。特に自分自身のケガや相手の物に対する賠償、そして自分の物の修理費は任意保険でしかカバーされません。
自賠責保険は相手自身への補償のみでかつ限度があるため時には相手への賠償すら賄えない時もあります。そんな時任意保険に入っていれば対人賠償の自賠責保険の限度額を超えた部分の補償から対物賠償、さらに自分や同乗者のケガや自身のバイクなど物まで補償を受けることができます。もしもの際、任意保険に入っていると本当に助かりますのでできるだけ加入しておきましょう。
任意保険の選び方は?
任意保険に加入していないなら
もし今任意保険に加入していない、保険料に悩んでいるのであればまずは一括比較から試してみてください。多くの保険会社の情報をまとめて比べることで自分にあった保険会社を見つける補助になります。バイクも自動車同様自賠責保険だけでは不十分です。もしもに備えるためまずは下のバナーから試してみてください。