ファミリーバイク特約とは?メリット・デメリットと補償範囲を解説

投稿日:2021年10月19日 更新日:

ファミリーバイク特約とは、自動車保険に付帯できる特約の一種です。主に運転する人や家族がファミリーバイク(原動機付自転車:以下、原付)を運転する際に生じた事故に関して、補償を受けることができます。

家族分の原付が何台でも補償範囲になったり、それにもかかわらず保険料が一定だったりとメリットが多いファミリーバイク特約ですが、デメリットはあるのでしょうか。
この記事では、ファミリーバイク特約の概要とバイク保険との違いのほか、メリット・デメリットについて解説します。

ファミリーバイク特約は、原付事故において主に相手方への補償を行う特約

ファミリーバイク特約は、原付運転中の事故によって自身がケガをしたり、相手にケガや物損などの損害を与えたりした場合、保険会社から保険金が支払われる特約です。

原付運転中に生じた事故に関する損害賠償は、通常、強制加入となっている自賠責保険を使います。しかし、被害者救済を目的とした自賠責保険は、対人事故の相手に対する最低限の補償にとどまるため、事故の程度によっては相手への損害賠償をまかないきれないことがあります。また、自賠責保険は、自身のケガの治療費や入院費は対象外です。
つまり、ファミリーバイク特約には、自賠責保険の追加補償としての役割があるといえるでしょう。

ファミリーバイク特約における原付とは、主に下記のようなものを指します。

<ファミリーバイク特約の対象となる原付>

  • 原動機の総排気量が125cc以下の原付
  • 内燃機関(エンジン)以外のものを原動機とする場合は、定格出力が1 kW以下の原付
  • 原動機の総排気量が50cc以下(または定格出力が0.6kW以下)の側車付二輪車、または三輪以上の自動車

なお、ファミリーバイク特約は、「自損事故型」と「人身傷害型」に大別できる点が特徴といえます。補償内容は主に、下記のとおりです。

ファミリーバイク特約の補償内容
相手への補償 自身への補償
対人 対物 対人 対物
自損事故型 △(※) ×
人身傷害型 ×

※自損事故型の自身への補償は、自損事故や事故相手に過失がない(自分の過失が100%)場合のみ。

いずれのタイプも、相手方への補償と無保険車との事故は補償されます。両者の違いは、自身のケガや死亡などにおける補償の充実度でしょう。
自損事故型は自身への補償を、自損事故や相手に過失がないものに限定しています。一方で、人身傷害型は自損事故以外も補償対象としている点が異なります。なお、どちらも事故によって損傷した、自身のバイクや自宅の壁などについては補償されません。

ファミリーバイク特約とバイク保険の違い

ファミリーバイク特約と似たものに、バイク保険があります。ファミリーバイク特約とバイク保険の違いは、主に下記のとおりです。

ファミリーバイク特約とバイク保険の特徴
ファミリーバイク特約 バイク保険
対象車の総排気量 125cc以下 制限なし
対象車の台数 制限なし 1台のみ
等級制度 なし あり
年齢 なし 契約によってはある
車両保険 なし あり
ロードサービス なし あり

ファミリーバイク特約は、通常の自動車保険に設けられている等級制度や年齢制限がないのが特徴です。その代わり、総排気量に制限があったり、ロードサービスがなかったりといった制約があります。

ちなみに、ファミリーバイク特約は、自動車保険の特約(オプション契約)扱いなので、単独では加入できない点もバイク保険との違いといえるでしょう。

ファミリーバイク特約の補償範囲

ファミリーバイク特約において補償を受ける対象となっているのは、下記の範囲です。

<ファミリーバイク特約の補償範囲>

  • 記名被保険者
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者の同居親族
  • 記名被保険者の別居の未婚の子

自動車保険において契約している自動車を主に運転する記名被保険者と、その家族が対象となります。別居して結婚していない子供も対象となるため、遠方で通勤・通学に原付を使用している大学生や、新社会人の家族がいる家庭においては、大きな安心材料となるかもしれません。

ファミリーバイク特約のメリット

自動車保険にファミリーバイク特約を付帯することで、いくつか得られるメリットがあります。具体的なファミリーバイク特約のメリットは、下記のとおりです。

補償範囲がバイク保険より広い

ファミリーバイク特約のメリットに、補償範囲の広さが挙げられます。前述のとおり、ファミリーバイク特約は、運転者が自動車保険の記名被保険者だけでなく、別居中の未婚の子供を含む家族も対象となります。
また、家族保有の原付ではなく、他人の原付を一時的に借りて運転していた際に事故に遭った場合でも、補償対象となることも、ファミリーバイク特約の特徴です。

保険料がバイク保険より安い

多くの場合、ファミリーバイク特約はバイク保険よりも保険料が安い点がメリットです。そもそもバイク保険の保険料は、バイクの総排気量や記名被保険者の年齢のほか、「通勤・通学」や「業務」といった使用目的などによって変動します。125cc以下の原付が加入する場合で比較しても、保険料が高くなる傾向があります。

一方のファミリーバイク特約は、対象が原付に限ったもので、ロードサービスも使えないといった制約がある分、保険料が抑えられているのです。その上、年齢や用途にかかわらず、保険料が変わりません。ファミリーバイク特約は保険料が安い上に一定なのは、大きなメリットといえるでしょう。

補償を受けても等級ダウンしない

そもそもファミリーバイク特約は、自動車保険のオプション契約としての扱いです。そのため、事故によって自身や相手のケガなどのために保険金を受け取っても、本体の自動車保険の次年度の等級や保険料に影響を及ぼさないことはメリットといえます。
これは、「ノーカウント事故」としてカウントされるため、等級がダウンしないのが理由です。

2台以上の原付を保有している場合も補償される

ファミリーバイク特約のメリットに、2台以上の原付を保有している場合も補償されるというメリットがあります。
バイク保険の場合、1契約につき1台が補償対象となりますが、ファミリーバイク特約は1契約で何台でも補償対象です。原付を多く保有している家族ほど、保険料は割安になるといえるでしょう。

ファミリーバイク特約のデメリット

ファミリーバイク特約は、メリットばかりではない点にも注意しましょう。続いては、ファミリーバイク特約のデメリットについて解説します。

長期の契約になると、保険料がバイク保険より高くなる傾向がある

契約期間が長期にわたった場合、ファミリーバイク特約の保険料がバイク保険に比べて割高となるのもデメリットといえるでしょう。これは、等級制度が設けられていないことにより、保険料が常に一定だからです。
一方、等級制度があるバイク保険は、無事故であれば次年度の等級がアップし、保険料の割引率が上がるため、長く使えば使うほどお得になります。

ロードサービスは使えない

ファミリーバイク特約のデメリットに、応急作業や搬送などを行ってくれるロードサービスが使えない点が挙げられます。ロードサービスが使えないため、万が一、遠方で事故に遭って原付が動かなくなった場合でも、故障した原付を自力で移動させるしかありません。

通勤・通学のため原付で長距離を走ったり、周囲に修理工場などがない場所を走行したりする場合は、ロードサービスの利用可否が加入時の検討ポイントのひとつといえます。

125cc超のバイクは対象外

ファミリーバイク特約のデメリットとして、主に総排気量125cc以下の原付を対象とした特約であるため、総排気量が125ccを超えるバイクは対象外となることが挙げられます。

一方のバイク保険は、総排気量の制限がありません。大型のバイクをすでに保有していたり、将来的に購入を検討していたりする場合には、自動的にファミリーバイク特約は選べないことになります。

自身の原付の修理費用は補償されない

事故で相手がいるかどうかにかかわらず、自身の原付がダメージを負った場合の修理費用を自腹でまかなわなければならないのは、ファミリーバイク特約のデメリットといえるでしょう。

事故に遭っても、自身の原付の修理費用の捻出が難しい状況であれば、ファミリーバイク特約を付帯するのではなく、車両保険があるバイク保険に加入したほうが安心です。

ライフスタイルによって、ファミリーバイク特約とバイク保険を正しく選ぼう

自動車保険のファミリーバイク特約は、原付運転中の事故を補償するもので、自賠責保険の追加補償としていくつかのメリットがあります。一方で、長期にわたり加入していると保険料の割高感が増したり、総排気量に上限が設けられていたりといったデメリットもあります。

また、複数の家族が通勤・通学や近距離の買い物などに原付を使う場合はファミリーバイク特約の付帯が最適ですが、ライフスタイルが変わる際には、バイク保険に乗り換えるのもひとつの手です。自動車保険の更新タイミングで、ファミリーバイク特約とバイク保険を、比較・検討してみることをおすすめします。

なお、自身に合ったバイク保険や自動車保険を探すには、複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討する必要があります。その際には、一括見積もりサービスを利用して、手軽に見積もりを依頼しましょう。
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