バイクに乗らなくなったからバイク保険を解約したい。でも実はただ解約するだけだと損するかもしれません。バイク保険には「中断」という仕組みがあります。今回はバイク保険の解約方法や中断について解説していきます。
目次
バイク保険の解約方法は??
バイクに乗らなくなった、保険会社を乗り換えたい、そんな時はいま契約している保険会社との契約を解約する必要があります。では保険会社との解約の手続きはどうなっているのでしょうか。確認してみましょう。
自賠責保険の解約方法
バイクに乗らなくなった場合、自賠責保険を解約しましょう。自賠責保険の解約を行う際は、契約している保険会社(組合)で手続きを行う必要があります。どこと契約しているのか分からない場合は、自賠責保険の保険証か、バイクを購入した販売店で確認するとよいでしょう。
解約した際に、保険の未経過期間が残っている場合は返戻金を受け取ることができます。解約日から保険満期日までの期間に相当する金額が戻ってきます。
自賠責保険の解約に必要な書類は??
自賠責保険の解約に必要なものは以下のものです。また自賠責保険は強制保険という特性上、バイクを手放したという証明が必要になります。廃車や譲渡を行ったという証明書を準備しましょう。
- 自賠責保険承認請求書(保険会社から受け取り可能)
- 印鑑(シャチハタなどのスタンプ式は認められない)
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 銀行口座(返戻金の振込先として使用予定の本人の口座)
- 保険標章となるステッカー(250㏄以下のバイクで必要)
- 廃車や譲渡を証明する書類
任意保険の解約方法は??
バイクの任意保険を解約する場合は、代理店でも手続きが可能です。任意保険でも途中解約を行うと、残りの期間に応じた返戻金を受け取ることができます。
任意保険の解約に必要な書類は??
任意保険の解約に必要な書類は以下の通りです。
- 任意保険の保険証書
- 印鑑(シャチハタなどのスタンプ式は認められない)
- 本人確認書類(運転免許証、、パスポートなど)
- 銀行口座(返戻金の振込先として使用予定の本人の口座)
解約返戻金の算出方法は??
返戻金の算出方法は保険会社によって異なります。ただ年払いの場合、一般的に「短期料率」という計算式が用いられて、返戻金が計算されます。短期料率は月単位で設定されています。例えば、保険開始日が1月10日の場合、毎月10日を過ぎると1ヶ月進んだ短期料率で計算されます。そのため、解約を行う際は短期料率が変わる前に行うとよいでしょう。
短期料率を用いた計算式は??
返還保険料=年間保険料×(1-既経過期間に対応する短期料率)
となっています。また短期料率の一例として下記の表を掲載しています。こちらは保険会社によって異なるため、実際の数値については確認が必要になります。
経過期間 | 短期料率 |
---|---|
7日まで | 10% |
15日まで | 15% |
1か月まで | 25% |
2か月まで | 35% |
3か月まで | 45% |
4か月まで | 55% |
5か月まで | 65% |
6か月まで | 70% |
7か月まで | 75% |
8か月まで | 80% |
9か月まで | 85% |
10か月まで | 90% |
11か月まで | 95% |
12か月まで | 100% |
任意保険の解約は「中断」するのがおすすめ!
任意保険を解約する際、ただ解約するよりも中断した方が将来的にお得かもしれません。なぜ中断をした方が良いのか、解説していきます。
中断証明書を発行する
バイクにまた乗るかもしれないという場合は、バイク保険の中断を行いましょう。ただ解約するのではなく、中断して中断証明書をもらいましょう。そうすることで、またバイクに乗る際、中断した時と同じ等級からバイク保険の再開が可能です。中断証明書の有効期限は基本10年間なので、乗らない可能性が高くても、一応取っておいてもよいでしょう。もし同居中の親族がバイクに乗る場合、家族間であれば等級の引き継ぎが可能ですので、ご自身以外がバイクに乗る可能性もしっかり考慮しましょう。
バイク保険をただ解約してしまうと、等級はまた6等級から再スタートとなります。そうなると、等級が上がって受けることができていた保険料の割引は受けることができなくなります。中断を行っていれば、中断証明書の有効期限に保険を再開することで、中断前と同じ等級で再開することができます。
注意点として、バイク保険を解約してから中断証明書の発行を申し込むまでの受付期間は保険会社によって異なります。自分が契約している保険会社の申し込み受付期間を確認しておきましょう。
中断証明書の発行条件は??
中断証明書の発行条件は、以下の通りです。またバイク保険の解約理由が長期間の海外渡航場合、廃車や譲渡などの時と発行条件が変わります。これらの条件は保険会社によって異なります。詳細については、契約中の保険会社に確認しましょう。
国内 | 海外 |
---|---|
・中断時の等級が7等級以上であること。(保険使用により次回の等級が6等級以下になる場合は発行対象外) ・中断日の翌日から13か月以内に発行を申し込んでいること |
|
保険満期日(または解約日)に以下のいずれかの中断事由に当てはまっていること。 | |
・廃車・譲渡 ・車検切れ ・盗難 |
保険満期日(または解約日)から6か月以内の出国であること。 |
中断証明書の有効期限には注意!
中断証明書には基本10年間の有効期限があります。有効期限が切れてしまうと、等級の引継ぎを行うことができません。以前のバイク保険の等級を引き継ぎたい場合、有効期限がいつまでかをしっかり確認しておきましょう。特に長い期間乗らない場合は忘れやすいので注意しましょう。
保険会社の乗り換えを行う場合の注意点は??
保険会社を解約する理由の一つに、保険会社の乗り換えがあります。保険料がより安いところなどに乗り換えるのは節約という意味で大切ですが、乗り換えを行う際の注意点を確認しておきましょう。
等級の引き継ぎを行う!
保険会社を乗り換える場合、乗り換え前の等級を引き継ぐことは可能です。前のバイク保険の契約の満期日(中途解約日)の翌日から、7日以内であれば等級を引き継ぐことができます。ここの日数は保険会社によって異なるので、自分が契約している保険会社でしっかり確認しましょう。
なお前のバイク保険の等級が1~5、6(F)等級の場合(前のバイク保険の契約期間中に保険を使用して等級が該当の等級まで下がった場合も含む)、中途解約日の翌日から13か月以内は等級が引き継がれます。
等級の引き継ぎに関する詳細はこちらからご確認ください。
乗り換えの際、満期日に注意!
バイク保険を乗り換える際、バイク保険の満期がいつか確認してから乗り換えをしましょう。バイク保険は満期を迎えたときに、1年間保険未使用などの条件を満たしていると等級が1上がります。しかし満期前に途中解約してしまうと、無事故で保険を使用していなくても、等級は上がりません。その場合、次の等級が上がるタイミングは1年後になってしまいます。
保険の空白期間を作らない!
乗り換えを行う際、乗り換え前の保険の解約日と、乗り換え先の保険の開始日がずれていると、保険に加入していない状態になってしまいます。その状態で運転を行い、万が一事故を起こした場合、補償を受けることができません。解約日と開始日は一致するように心掛けましょう。
まとめ
長期間バイクに乗る予定がなく、バイク保険の解約を行う際、ただ解約するのではなく中断を行うことで、またバイクに乗る際に等級を引き継いでバイク保険の再開ができます。等級を引き継げれば、保険料の割引を受けることができるので、なるべく中断を行うとよいでしょう。また保険会社の乗り換えを行う際も、満期日や解約日、保険開始日に注意して手続きを行いましょう。