バイクのミラーは後方確認の役割を担う重要なパーツです。ミラーを取り付けていない場合は罰則に問われ、死角が広がることで最悪事故に発展してしまうこともあるので注意しなければなりません。この記事では、バイクのミラーの必要性やルール、ミラーが壊れてしまったときの対処について解説していきます。
目次
バイクのミラーとは
バイクミラーの役目は?
バイクミラーは、バイクの後方視界を見るための左右にある鏡のことを言います。走行中は前を向いてバイクを走らせていますが、前を見ながら後方の視界を映し出してくれるのがミラーの役目です。そのため、最大限後方を映し出せる正しい位置に調整しておく必要があります。ミラーは取り付け位置や形状、映し出す範囲の違いなどさまざまな種類が用意されています。 ミラーには映し出せない「死角(しかく)」もあるため、場合によっては目視が必要です。
バイクの死角
ミラーには映らない「死角」というものがあります。上の図は、ライダーから見える視界とミラーから見える視野を可視化したイメージ図です。一般的に人間の視野は190〜200°くらいと言われていますが、ライダーはヘルメットを被っているかつ車種やライディングポジションによっても視野が大きく異なるので、あくまで参考程度にしてください。 運転前に自分の死角を確認するために、安全な場所で友達などに後方に立ってもらい、自分のバイクのミラーがどこまで見えるのか確認してみることをおすすめします。
車検の審査基準は?
バイクのミラーには保安基準があり、その基準を満たしていないと車検に通らない可能性があります。250cc以下のバイクは車検がありませんが、安全に道路を走行するためにも自分でウィンカーのメンテナンスは行うようにしましょう。保安基準の事例は以下になります。
保安基準の例
- 鏡面の面積が69㎠以上
- 円形のミラーは大きさが直径94mm以上150mm以下
- 円形以外のミラーは、鏡面の大きさが120×200mm未満で、直径78mmの円を隠すことができる
- フロントは最内縁が240mm以上離れている
- リアは発光面の中心が150mm以上離れていること「堅ろう」に取り付けられている
- かじ取り装置(ハンドル)の中心から280mm以上外側に取り付けてある
- 左右両方にミラーが付いている
- ハンドル中心から、ミラー鏡面の中心点が280mm以上離れている
参考:自動車:道路運送車両の保安基準(2022年4月8日現在) - 国土交通省 (mlit.go.jp)
保安基準を守らないとどうなる?
250ccを超えるバイクの場合、保安基準値外だと車検が通りません。また、後述しますが保安基準を守っていないと『整備不良』として罰則があります。ファッション性を重視したミラーの中には、車検非対応のタイプもあるので注意が必要です。「バイクのミラーは片方だと違法なのか」という疑問を持つ方がいますが、左右両方にミラーをつけることは保安基準で定められているので注意しましょう。
車両の生産年月によって決まりがある
2007年の保安基準改正により、2007年1月1日以降に生産されたバイクに限り排気量を問わず左右にミラー取り付け必須となりました。よって原付1種と原付2種の場合、「2006年12月31日以前に製造されたバイク」であれば、基本的に右側装着のみでも規定に反することとはなりません。
バイクミラーが壊れてしまったら
店舗で修理する場合
バイク修理は、おもに以下のような場所で受け付けています。
●バイクショップ
●整備工場
●ガソリンスタンド
●サイクリングショップ
対応できるバイク修理はお店によって異なります。修理を依頼できるか事前に確認しておくと安心です。
自分で修理する場合
バイクのミラーはバイクショップやネットショップで購入することができます。修理のために必要な道具はドライバーなどの工具があれば交換が可能です。折れた部分のミラーの根元を取り除き、替えのミラーを取り付けます。もし根元が取り付けられない状態の場合は、ミラーを取り付けるステーホルダーも用意しましょう。
ワンポイント
修理費は?
ミラーの取り付けは、トータル5,000円~10,000円ほどで完了することができるでしょう。
項目 | 費用 |
---|---|
ミラー | 1,000円~5,000円前後 |
ドライバーセット | 500円~3,000円前後 |
ステーホルダー | 1,000円~3,000円前後 |
工賃(店舗に依頼する場合) | 1,500円前後 |
ミラーがついていないとどうなる?
違反となる
ミラーの設置をしっかりとすることは法律で決まっており、保安基準を守らないと『整備不良』となり
●50cc未満:違反点数1点、反則金5000円
●50cc以上:違反点数1点、反則金6000円
が科せられます。
参考:警視庁ウェブサイト 交通違反の点数一覧表
車検に通らない
上述した通り車検の項目にはミラーのチェックがあり、保安基準をクリアしていないと通らない可能性があります。仮にミラーを直したとしてもきちんと再検査をしなければ、車検に受かっていない状態で運転を続けることになります。車検切れで公道を走行した場合も違反となり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処され、前歴がない場合でも30日間の免許停止処分となります。
参考:道路運送車両法
事故リスクが増加
ミラーは走行中確認することが難しい後方確認の大切な役割を担っています。ミラーが機能していないと死角の範囲が広がり、後方を目視で確認しなければならないため前方への注意が散漫し、周りのドライバーや歩行者と接触事故や衝突事故を起こしてしまうリスクが増加してしまいます。
運転中にミラーが破損した場合
レッカー車を呼ぶ
バイクを走行していると立ちごけや転倒、接触事故などでミラーが折れてしまったり、強風でバイクが倒れてミラーが割れてしまうことなどがあります。そのまま道路を走行することは違法かつ、後方確認ができないままの運転は危険です。近くにショップなどがある場合は手で引いてバイクを運び、山道などで頼りがない場合はレッカー車を呼んで修理工場まで牽引することが正しい処置です。
応急処置をする
近くに修理できる場所がない場合の応急処置方法は以下があります。
折れた場合
●ガムテープ
●ABS樹脂接着剤
●造形補修材
ガムテープは100円均一ショップやコンビニなどで手に入れることができます。おもちゃ屋やプラモデル屋が近くにあれば、ABS樹脂接着剤や造形補修材が売っている可能性があります。応急処置は一時的な固定なので、必ず後で修理を行うようにしましょう。
割れた場合
●アクリルミラー
●画用紙
●両面テープ
●カッターなどアクリルミラーを切るもの
これらも、100円均一ショップやスーパーなどで手に入れることができます。以下の方法で簡易的にミラーを上付けできます。
①画用紙を使いミラーの型紙を作る
②型紙通りにアクリルミラーを切り抜く
③アクリルミラーの裏面に両面テープを張り付ける
アクリルミラーは普通のミラーと見え方が違うため、運転しにくいデメリットがあるかつ危険です。いざというときの応急処置であるので、早急に修理をするようにしましょう。
任意保険の加入はしっかりと
万が一のときのトラブルに備え、任意で加入できる「任意保険」にもしっかりと加入をした方が格段に安心です。任意保険に加入していれば、ツーリング先で急にバイクのパーツが故障してもロードサービスを利用して修理工場へ運んでもらうことができます。加入していなければレッカー代は自費となり、距離によっては20万を超えてしまうこともあるようです。
また万が一事故に発展した場合、単独事故や対物事故の場合は任意保険に加入していないと基本的には全て自費で支払わなければなりません。この場合、一生を棒にふるう金額になる可能性も大いにあります。
任意保険の選び方は?
まとめ
今回は、バイクミラーの必要性や破損してしまったときの対策について解説しました。ミラーを適切に設置していないと罰則が発生したり、車検にも通らず、最悪の場合事故に発展してしまったりと様々なリスクがあります。走行中の急なミラーの破損や万が一の事故に備えて、任意保険にも加入しておくことをオススメします。バイク保険一括見積サービスを利用すると効率よく自分に合った任意保険を選ぶことが可能です。