バイクは購入費用だけではなく維持費もかかります。大学生の限られた収入でも400ccのバイクを維持していくことはできるのでしょうか?また、維持費を抑えるためにはどうしたらよいのでしょうか?
目次
400ccの維持費には何がどれだけかかる?
維持費としてかかるもの
400ccのバイクの維持費として、主に以下のものが必要となります。
- 軽自動車税(種別割)
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- 車検費用
- メンテナンス費用
- 任意保険料
- ガソリン代
- 駐輪場・駐車場代
- ローン返済費用(借りている場合)
軽自動車税(種別割)
軽自動車税(種別割)は毎年4月1日時点でバイクを所有する人にかかる税金です。市区町村によって異なる場合がありますが、おおむね5月上旬に納税通知書が所有者のもとに送られ、納期限は5月末日です。400ccのバイクの場合、税額は6,000円/年です。
自動車重量税
重量税という名称ですが、バイクの場合は重量ではなく排気量で税額が決められています。400ccの場合は1年あたり1,900円です(新規登録から12年まで)。車検のときに次の車検までの税額をまとめて支払うので、新車登録時の初回は3年分で5,700円、それ以後は2年分で3,800円の支払いとなります。
なお、登録後13年経過すると年2,300円、18年経過すると年2,500円と税額が高くなります。
自賠責保険料
事故の被害者救済のために法律で加入が義務付けられている保険です。未加入・期限切れで公道を走行した場合、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科せられます。また、違反点数6点が付加されるので、他に違反や前歴がなくても免許停止処分となります。
400ccの場合、車検有効期間分の自賠責保険に加入し、車検のときに更新します。自賠責保険料は以下の通りです。
24ヵ月 | 25ヵ月 | 36ヵ月 | 37ヵ月 | |
---|---|---|---|---|
離島以外の地域 (沖縄県を除く) |
8,760円 | 8,910円 | 10,490円 | 10,630円 |
離島地域 (沖縄県を除く) |
6,440円 | 6,490円 | 7,030円 | 7,080円 |
沖縄県 (離島地域を除く) |
5,560円 | 5,580円 | 5,730円 | 5,740円 |
沖縄県の離島地域 | 5,560円 | 5,580円 | 5,730円 | 5,740円 |
出典:損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率_2023年1月18日届出」
車検費用
250cc超のバイクは車検を受ける必要があります。新車登録時は3年間有効、それ以後は2年間有効なので、新車で購入した場合は3年後から2年ごとに車検を受けることになります。
車検を受けるときに法定費用として必ずかかるのは、上で説明した自動車重量税と自賠責保険料に加え、検査手数料(印紙代)の1,800円(継続・持込検査)です。
業者に車検を依頼する場合は法定費用に加えて車検代行手数料や整備費用がかかります。金額設定は業者やバイクの状態によって異なりますが、法定費用込みで4~8万円ほど、法定費用を抜きで考えるとおおよそ2.5~6.5万円ほどでしょう。
なお、パーツや消耗品の交換が必要な場合は追加でその費用がかかります。
メンテナンス代
バイクを長く安全に乗っていくのであれば日ごろのメンテナンスは欠かせません。400ccの場合は車検がありますが、その時だけではなく日常的に行っていく必要があり、12ヵ月での点検は法律で義務付けられています。また、定期点検を行っていないとメーカー保証を受けられなくなる場合があります。
どれだけの費用がかかるかは運転頻度や走行距離、自分で行うか業者に任せるかなどにもよりますが、年間5万円ほどを見ておくとよいでしょう。もちろん、新車を購入して1年目などでは消耗品の交換も少ないのでこの金額より安く済むでしょうし、タイヤを両輪とも交換すると使用するタイヤによりますがそれだけで5万円を超える場合もあります。
任意保険料
自賠責保険は対人賠償のみで補償額にも上限があるので、加入義務はないものの事故に備えて加入しておくべき保険です。対人賠償で自賠責の上限を超える分のほか、対物賠償や自分が死傷した場合の補償、ロードサービス、契約内容によりますが自分の車両に対しての補償などが受けられます。
事故への備えとして重要な任意保険ですが、維持費の中で大きな割合を占めます。特に10代や20代前半は統計的に事故率が高いため、保険料が高く設定されています。当サイトの「バイク保険一括見積もりサービス」利用者より調査した、250cc超でバイク保険に新規加入の場合の10代・20代のバイク保険料の平均は以下の通りです(2024年4月~2025年3月利用者より調査)。
20歳以下 | 21歳~25歳 | 26歳~29歳 |
---|---|---|
121,297円/年 | 58,303円/年 | 42,063円/年 |
保険料は保険会社や契約内容によって異なりますが、20歳以下の保険料は非常に高く、平均で10万円を超えています。21歳になると保険料が大きく下がるので、そこまで待てるのであれば待つのも一つの手かもしれません。
なお、任意保険には等級制度というものがあり、1年間の保険期間中に保険を使わないと等級が上がって保険料の割引率が高くなっていきます。逆に保険を使うと等級が下がって割引率が低く(一定の等級以下は割増)なります。新規契約の6等級は3%の割増なのですが、1年間無事故で過ごして7等級になると27%の割引です。無理な運転はせずに安全運転を心がけるようにしましょう。
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ガソリン代
どれだけかかるかはバイクの燃費や走行距離、給油時のガソリン価格によります。仮に年間走行距離が5,000kmの場合、燃費およびガソリン価格ごとに計算した年間のガソリン代は以下の表の通りです。年間走行距離が10,000kmの場合は倍にするなど、自分の条件に合わせて計算してみてください。年間走行距離÷燃費×ガソリン価格で計算できます。
燃費|ガソリン価格 | 150円/ℓ | 160円/ℓ | 170円/ℓ | 180円/ℓ |
---|---|---|---|---|
20km/ℓ | 37,500円 | 40,000円 | 42,500円 | 45,000円 |
25km/ℓ | 30,000円 | 32,000円 | 34,000円 | 36,000円 |
30km/ℓ | 25,000円 | 26,667円 | 28,333円 | 30,000円 |
駐輪場・駐車場代
自宅にバイクを止めることができない場合、駐車場を借りる必要があるのでその費用もかかります。なお、自宅がアパート・マンションの場合は駐輪場が有料という場合も多くあります。
どれくらいの費用がかかるかは立地や設備、屋内か屋外かなどにもよりますが、バイク用の屋外駐車場だと月額数千円ほどが多いです。ただし、都心部では1万円を超えることもあります。セキュリティを意識してバイクコンテナを借りる場合には立地などにもよりますが月額で1、2万円ほどはかかるでしょう。
ローン返済費用
ローンを組んでバイクを購入した場合はその返済費用も維持費として含めて考えなければいけません。どれくらいかかるかはローンを組んだ額や契約内容によるので割愛します。いずれにせよ、ローンを組む場合は問題なく返済できるのかシミュレーションしたうえで借りるようにしましょう。
合計で年間30万円ほど
ここまで紹介してきた費用を合計すると年間で30万円ほどとなります。1番大きいのが任意保険で年間12万円と仮定しています。20歳以下で新規契約という保険料が高くなる条件での金額でありますが、契約内容によってより大きな金額がかかる場合も少なくて済む場合もあります。一括見積もりサービスで保険料を確認してみましょう。
また、次に大きいのが駐車場代で年間6万円(月5,000円)想定ですが、これは住んでいる場所にもよります。自宅に無料でとめられる場合もあれば、都心部で近くで借りられるのがもっと高額なところしかないという場合もあります。メンテナンス代も年5万円としていますが、新車1年目ではそこまでかからないでしょう。様々な場合が考えられる中での一つのモデルケースとして考えてください。
項目 | 1年あたり費用 |
---|---|
軽自動車税(種別割) | 6,000円 |
自動車重量税 | 1,900円 |
自賠責保険料 | 4,380円 |
車検検査手数料(印紙代) | 900円 |
車検費用(法定費用除く) | 20,000円 |
メンテナンス代 | 50,000円 |
任意保険料 | 120,000円 |
ガソリン代 | 32,000円 |
駐車場代 | 60,000円 |
合計 | 300,180円 |
維持費を抑えるためには?
大学生はバイトだけしているわけにはいかず、収入も限られるでしょう。そうした中でバイクを買うのであればできるだけ維持費は抑えたいところです。維持費を抑えるにはどのような手段が考えられるのでしょうか?
日ごろから自分でできるメンテナンスを行う
チェーンの清掃やタイヤの空気圧調整、洗車など日ごろから自分でできるメンテナンスはしっかり行っていきましょう。何もしなければ短期的にはお金はかかりませんが、長期的には故障の原因になったりパーツの寿命が短くなったりすること、事故のリスクを高めることにつながります。また、燃費が悪化し、より多くのガソリン代がかかるようになります。
燃費を意識した走行をする
ガソリン価格が高止まりしているため、運転に必要なガソリン代も高くなってしまっています。燃費を意識した走行をし、少しでもガソリン代を節約していきましょう。燃費を向上させるためには、例えば、以下のようなことを意識するとよいでしょう。
- 急発進や急加速など「急」のつく走り方をしない
- 無駄なアイドリングをしない
- できるだけ一定速度で走る
- 余計な荷物を載せない
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可能であればユーザー車検にする
バイクの車検を業者に依頼する場合、点検・整備に対する工賃や車検の代行手数料がかかります。これらはもちろん正当な費用なのですが、自分で検査場にバイクを持ち込んで受験するユーザー車検であればこうした費用はかかりません。法定費用(重量税・自賠責・印紙代)と消耗品やパーツの交換費用に抑えられます。
注意点として、自分で整備・点検についてある程度の知識を持っておく必要があること、平日に時間を取って検査を受けに行く必要があることが挙げられます。こうしたことが難しいのであれば業者に依頼した方がよいでしょう。
任意保険を比較する
10代や20代前半は任意保険料が高額になることが多いです。ディーラーやバイクショップですすめられた保険にそのまま入るのではなく、その内容を吟味したり他の保険会社と補償内容や保険料を比較してから加入するのがよいでしょう。
任意保険は大きく「代理店型」と「ダイレクト型(ネット型)」の2つにわけることができます。ディーラーやバイクショップですすめられるのは代理店型の保険で、代理店手数料や人件費などの中間コストが発生する分、保険料が高い傾向にあります。
ダイレクト型は自分で補償内容を把握して選択し、契約を進める必要がありますが、代理店型であっても補償内容は自分で把握しておくべきことです。Webチャットやメールなどで保険会社に問い合わせることも可能なので、ダイレクト型のバイク保険も選択肢に入れてみましょう。
任意保険を探すには、一度に複数社の見積もりが取れる一括見積もりが便利なので、ぜひご利用ください。
まとめ
400ccのバイクの維持費としては年間30万円ほどかかります。ただしこれは、大学生ということで20歳以下の新規契約を想定した任意保険料が1/3以上を占めています。21歳以上の場合や無事故で2年目以降の契約の場合は保険料が大きく下がります。また、保険料を抑えたいのであればダイレクト型の任意保険も含めて検討してみましょう。
その他、日ごろからのメンテナンスや無理のない運転が燃費の向上やバイクの寿命を延ばすことにもつながります。維持費のためにもバイクのためにも大切に乗るようにしましょう。